小型のカメに関連して複数州にわたって発生した3件のサルモネラ感染アウトブレイク
Three Multistate Outbreaks of Human Salmonella Infections Linked to Small Turtles
April 5, 2012
【本記事では、2012年3月30日付の初発情報に4月5日付の更新情報を織り交ぜて紹介する。】複数州にわたるサルモネラ(Salmonella Sandiego、S. PomonaおよびS. Poona)感染アウトブレイク3件が合計17州で発生し、合計72人の患者が報告されている。州別の患者数はアリゾナ(2)、カリフォルニア(12)、ジョージア(1)、インディアナ(1)、ケンタッキー(1)、マサチューセッツ(3)、メリーランド(6)、ミシガン(1)、ミネソタ(1)、ノースカロライナ(1)、ニュージャージー(6)、ニューメキシコ(3)、ニューヨーク(21)、ペンシルバニア(7)、テキサス(4)、バージニア(1)およびバーモント(1)である。12人が入院し、死亡者の報告はない。患者の59%が10歳以下の小児である。疫学調査および環境調査の結果は、カメまたはその環境(カメの飼育場所の水など)への暴露が原因であることを示している。患者の92%が小型のカメ(甲羅の長さが4インチ【約10 cm】未満)との接触を報告し、その43%がカメを露店で購入したと報告した。甲羅の長さが4インチ未満のカメは、購入したり人に贈ったりすることが禁止されている。
初発情報米国疾病予防管理センター(US CDC)は、複数州の公衆衛生当局と協力し、これら3件のサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。1件目はS. Sandiego、2件目はS. Pomona、3件目はS. Poona感染で、いずれもまれな血清型である。初めの2件では患者発生の地理的分布が似通っていて、米国の北東部および南西部で発生した。3件目はやや異なり、患者は中西部および南西部で発生している。これらのアウトブレイクの公衆衛生調査では、PulseNet(食品由来疾患サーベイランスのための分子生物学的サブタイピングネットワーク)を使用し、PFGE法による診断検査を通じて得られたサルモネラのDNAフィンガープリントにより関連患者を特定している。
爬虫類(カメ、ヘビ、トカゲなど)や両生類(カエルなど)との接触はヒトのサルモネラ症の感染源になりうる。甲羅の長さが4インチ未満の小型のカメは感染源としてよく知られ、特に小児の感染源になることが多い。このようなリスクがあるため、米国食品医薬品局(US FDA)はこの種のカメの販売および出荷を1975年に禁止している。爬虫類および両生類はサルモネラ菌を保有していても外観には異常がない。これらの動物は排泄物中にサルモネラを排菌し、排菌されたサルモネラによって動物自体やその生息環境が汚染される。水槽で飼育されている場合は水がサルモネラに汚染され、ヒトに伝播することがある。
S. Sandiegoアウトブレイクの調査アウトブレイク株の感染患者が11州から50人報告されている。更新情報で追加された患者5人の発症日は2011年8月であった。疫学調査の新たな結果により、このアウトブレイクは以前に報告された時期より早い時期から発生していたことが示されたため、症例定義が2011年8月に発症した患者も含めるように変更された。聞き取り調査を行った患者34人のうち28人(82%)が発症の前週にカメと接触したことを報告した。接触したカメの大きさを覚えていた患者19人のうち18人(95%)が4インチ未満と報告し、カメの種類を覚えていた患者6人のうち5人(83%)がアカミミガメ(red-eared slider turtle)であったと報告した。
発症日が報告された患者の発症日は2011年8月3日〜2012年3月11日である。患者の年齢範囲は1歳未満〜86歳で、50%が8歳以下、58%が女性である。情報が得られた32人のうち8人(25%)が入院した。死亡者の報告はない。
2012年2月、ペンシルバニア州の患者1人の家のカメの水槽より採取した水1検体からアウトブレイク株が検出された。また、2012年3月、バージニア州の患者の家のカメ用水槽の拭き取り検体からアウトブレイク株が検出された。
S. Pomonaアウトブレイクの調査2012年3月26日時点で、アウトブレイク株の感染患者が8州から9人報告されている。
発症日が報告されている患者の発症日は2011年12月9日〜2012年2月6日である。患者の年齢範囲は1歳未満〜90歳で、50%が4歳以下、75%が女性である。情報が得られた患者8人のうち2人(25%)が入院した。死亡者の報告はない。
発症の前週におけるカメとの接触と喫食歴について聞き取り調査を行った。調査した患者8人のうち5人(63%)がカメとの接触を報告した。接触したカメの大きさを覚えていた患者2人は揃って(100%)4インチ未満と報告した。
2012年1月、カリフォルニア州の同世帯の患者2人の家のカメ用水槽の水1検体からアウトブレイク株が検出された。
S. Poonaアウトブレイクの調査アウトブレイク株の感染患者が7州から13人報告されている。更新情報によって追加された患者1人については現時点では聞き取り調査の情報がない。
情報が得られた患者の発症日は2011年10月20日〜2012年2月18日である。年齢範囲は1歳未満〜70歳で、50%が4歳以下、67%が女性である。情報が得られた患者7人のうち2人(29%)が入院した。死亡者の報告はない。
発症の前週におけるカメとの接触と喫食歴について聞き取り調査を行った。調査を行った患者10人のうち9人(90%)がカメとの接触を報告した。接触したカメの大きさを覚えていた患者5人のうち4人(80%)が4インチ未満と報告し、接触したカメの種類を覚えていた患者7人全員(100%)がアカミミガメであったと報告した。
(関連記事)爬虫類、両生類とサルモネラ感染Reptiles, Amphibians, and Salmonellahttp://www.cdc.gov/Features/SalmonellaFrogTurtle/http://www.cdc.gov/salmonella/small-turtles-03-12/index.html● 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)http://www.cdc.gov/************************
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