海外:真空パック牛肉のClostridium estertheticum汚染(ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR))

 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部  食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28)より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR : Bundesinstitut fur Risikobewertung)
http://www.bfr.bund.de/

真空パック牛肉のClostridium estertheticum汚染:喫食による健康被害リスクの可能性は低い Clostridium estertheticum in vacuum-packed beef: Health risk through consumption is unlikely
6 July 2010 (Posted 15.07.2010)
http://www.bfr.bund.de/cm/245/clostridium_estertheticum_in_vacuum_
packed_beef_health_risk_through_consumption_is_unlikely.pdf


 Max Rubner研究所(MRI: Max Rubner-Institute)は真空パック入り食肉における好冷菌(低温で増殖可能)汚染の増加を報告している。これらの食肉は賞味期限(best-before date)前に腐敗し、その典型的な兆候は包装の膨張と悪臭である。原因菌はクロストリジウム属菌の一種(Clostridium estertheticum)で、牛肉の汚染が最も一般的であるが、子羊肉や鹿肉も汚染される。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、このように腐敗した食肉は食用に適さないものの、消費者に健康被害をもたらす可能性は低いとしている。

 C. estertheticumに関するデータが不十分であることから、BfRが提供できるのは暫定的なリスク評価のみである。この菌の摂取によるヒトへの健康被害リスクを報告する研究論文はない。C. estertheticumは病原性であると考えられておらず、Committee for Biological Agents(ABAS)による分類では最もリスクの低いグループに分類されている。クロストリジウム属の多くの種が環境中のいたる所に存在し、C. estertheticumは内臓除去および剥皮の際にとたいに移行すると考えられる。他の腐敗菌と異なり、この菌は−1.5℃〜16℃で良く増殖し、ガス産生により真空包装を膨張させる。このような包装の膨張を伴う腐敗の例は1989年に初めて報告された。

BfR見解の全文(ドイツ語)は次のサイトから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/208/clostridium_estertheticum_in_vakuumverpacktem
_rindfleisch_ein_gesundheitliches_risiko_durch_den_verzehr_ist_unwahrscheinlich.pdf
.

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海外:コレラ、下痢、赤痢最新情報(ProMED-mail)

  国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部  食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28)より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● ProMED-mail
http://www.promedmail.org/pls/askus/f?p=2400:1000

コレラ、下痢、赤痢最新情報
Cholera, diarrhea & dysentery update 2010 (12)
July 27, 2010
http://promedmail.oracle.com/pls/otn/f?p=2400:1001:3571914826691625::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,
F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,83851


下痢

国名     報告日  発生場所    期間         患者数      死者数

シリア    7/13   軍隊                              14〜

イエメン   7/6                           183        4

イエメン   7/1     Lahij    6/21からの週     127        4
                Hajjah                 200        7

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海外:卵の安全性確保およびサルモネラ症低減のための新しい規則が発効

 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28)より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● 米国食品医薬品局(US FDA:Food and Drug Administration)
http://www.fda.gov/

卵の安全性確保およびサルモネラ症低減のための新しい規則が発効
New Final Rule to Ensure Egg Safety, Reduce Salmonella Illnesses Goes Into Effect
July 9, 2010
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm218461.htm

 米国食品医薬品局(US FDA)は、大規模鶏卵生産業者向けの新しい食品安全規則の施行により、サルモネラ(Salmonella Enteritidis)に汚染された卵の喫食が原因で発生する患者や死亡者のうち、約79,000人の患者および約30人の死亡の発生を毎年防ぐことができるとしている(食品安全情報 No. 15/2009 (2009.07.15) US FDA記事参照) 。
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海外:食中毒菌(カンピロバクター)対策のための新戦略(英国食品基準庁(UK FSA))

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部  食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● 英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)
http://www.food.gov.uk/

食中毒菌(カンピロバクター)対策のための新戦略
New strategy to tackle food poisoning bug
21 July 2010
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2010/jul/campyresearch

 英国における食中毒の最も多い原因であるカンピロバクターの対策に関する新しい研究戦略が開始された。英国食品基準庁(UK FSA)、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC: Biotechnology and Biological Sciences Research Council)、英国環境・食糧・農村地域省(Defra:Department for Environment, Food and Rural Affairs)、北アイルランド農業・地方開発局(Northern Ireland Department for Agriculture and Rural Development)およびスコットランド政府が新戦略を支持している。

 最新の調査データから、販売店で購入した生の鶏肉のうち65%がカンピロバクターに汚染されていることが示唆されている。カンピロバクターは鶏肉を適切に加熱調理することで死滅するものの、イングランドおよびウェールズで年間300,000人以上の食中毒患者が発生し、15,000人が入院する原因となっている。

 新戦略は、フードチェーンにおけるカンピロバクターの汚染レベルやヒトへの感染を大幅に低下させることができる様々なメカニズムの特定を目的としている。新戦略には以下の研究内容が含まれる:

・ 現在の感染者数、現行の食品・農業規範および実現可能性のある対策戦略を把握するための研究

・ カンピロバクターの生態およびその宿主動物に関する研究

・ 新たなツールおよび診断手法開発(農場におけるカンピロバクターの迅速検査法の開発の実現性など)

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海外:内臓を除去していないニシン製品(Schmaltz Herring)に関する警告を発表(米国食品医薬品局(US FDA))

  国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28)より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● 米国食品医薬品局(US FDA:Food and Drug Administration)
http://www.fda.gov/

D & M Smoked Fish社が内臓を除去していないニシン製品(Schmaltz Herring)に関する警告を発表
D & M Smoked Fish, Inc. Issues an Alert on Uneviscerated Schmaltz Herring July 15, 2010
http://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm219439.htm

 D & M Smoked Fish社(ニューヨーク州Queens)は、内臓除去されていないことが確認されたHaifaブランドのニシンの真空パック製品(Schmaltz Herring、ロット番号168)を回収している。対象ロットは、透明ビニール袋に真空個包装されたノルウェー産の製品で、ラベルにロット番号#168と販売期限(Sell by date)7/20/10(2010年7月20日)が表示されており、ニューヨークエリアの食品小売施設を通じて販売された。

 ニューヨーク州の農産物・流通食品検査官(Agriculture and Markets Food Inspector)が行ったSchmaltz Herringの通常検査サンプリングから、加工前に当該製品の内臓除去が適切に行われていなかったことが判明した。

 魚の内臓にはその他の部位と比べボツリヌス菌(Clostridium botulinum)芽胞が高濃度で含まれている可能性が高いため、内臓が除去されていない魚類の販売はニューヨーク州の農業および流通に関する規則(Agriculture and Markets regulations)により禁止されている。内蔵が除去されていない魚類製品は過去に発生したボツリヌス毒素によるアウトブレイクに関連している。現時点では、本件に関連した患者発生は報告されていない。

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海外:露店販売される食品の安全性を向上させるための基本的なステップ(世界保健機関(WHO))

 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No. 16 / 2010(2010. 07.28)より
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

● 世界保健機関(WHO:World Health Organization)
http://www.who.int/en/

露店販売される食品の安全性を向上させるための基本的なステップ
Basic steps to improve safety of street-vended food INFOSAN Information Note No. 3/2010 30 June 2010
http://www.who.int/foodsafety/fs_management/infosan_archives/en/index.html
http://www.who.int/foodsafety/fs_management/No_03_StreetFood_Jun10_en.pdf(英語版PDF)

露店での食品の販売は、世界中のほとんどすべての国で行われている。国連食糧農業機関(FAO)および世界保健機関(WHO)のコーデックス委員会(Codex Alimentarius Commission)は、“street-vended foodsもしくはstreet foods(露店販売される食品)”を、そのまま喫食可能(ready-to-eat)であって、露店商および行商人によって特に街頭およびその他の公共の場所で調理・販売される食品と定義している(CAC-GL 22 rev.1, 1999)。露店販売される食品は、都市部の貧困層にとってそのまま喫食できる高栄養価・低価格の重要な食糧源となっているが、これらの食品がもたらす健康リスクは利益を上回る可能性がある。この記事は、露店販売される食品について、住民にとっての利便性を損なわずにその安全性を向上させる現行のアプローチに関して、最新情報を紹介している。 以下に本記事の要旨を示す。
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群馬県:食品等収去検査結果について(6月分)

  群馬県は、平成22年6月中に行われた、県内で流通している食品等の収去検査の結果を公表しました。

群馬県 健康福祉部 食品安全局 衛生食品課
食品等収去検査結果について(6月分)

 県内で流通している食品等の安全性を確認するため、「群馬県食品衛生監視指導計画」に基づき、収去検査※1を実施した結果は次のとおりです。

1 検査実施期間
平成22年6月

2 検体数
148検体(うち輸入品8検体) 違反数0検体
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厚生労働省:食品衛生月間の実施について

  厚生労働省は、毎年8月を「食品衛生月間」と定めています。

                                 厚生労働省発食安0715第6号
                                 平成22年7月15日
   都道府県知事 
各  保健所設置市長  殿
   特別区長
                                      厚生労働事務次官

               食品衛生月間の実施について

 食品衛生行政の推進については、かねてから格別の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、厚生労働省においては、食品衛生管理の徹底及び地方公共団体等におけるリスクコミュニケーションへの取組の充実等を図るため、8月の1か月間を「食品衛生月間」と定めております。
 つきましては、本年度も別添のとおり「食品衛生月間実施要領」を定めましたので、貴職におかれましても、食品衛生月間の趣旨を御理解いただくとともに、関係団体と連携の上、御協力をお願いいたします。
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群馬県:「食品安全試買検査(6月分)」の結果について

  群馬県は、平成22年6月中に行われた「食品安全試買検査」の結果を公表しました。

群馬県 健康福祉部 食品食品安全局 食品安全課
「食品安全試買検査」の結果について(6月分)

 県では、食品の安全性の確認と食品表示ウォッチャーによる食品表示確認事業の科学的検証を行うため、試買検査を実施しています。
 6月の検査結果について、下記のとおり取りまとめたのでお知らせします。

1 検査概要
 6月中に県内で市販されている加工食品を買い上げ、食品添加物等について検査を実施しました。
 検査の結果、食品衛生法の基準に違反するものはありませんでした。

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食品安全委員会:食品安全委員会(第342回)の開催について

この会議は終了しました。

  内閣府安全委員会は、平成22年7月29日に)第342回会合を開催することを発表しました。
 当日受付により傍聴が可能です。

                                           平成22年7月27日
                                      内閣府食品安全員会事務局

        食品安全委員会(第342回)の開催について

 標記会合を下記のとおり開催しますので、お知らせいたします。なお、本会合は一般に公開して行います。

                           記

1.開催日時:平成22年7月29日(木) 14:00〜

2.開催場所:食品安全委員会 大会議室
         (港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル22階)

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ブログタイトル変更しました
本ブログは2010年9月21日より「食品衛生インフォメーション」と名称変更しました。
なお、旧タイトルである「株式会社町田予防衛生研究所 社員ブログ」につきましては、2010年10月13日より、当社サイト内にて改めてオープンしました!
コチラのブログにつきましてもどうぞよろしくお願い致します。
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